1. 奨学金による自己破産とは？意味や仕組みについて

まず始めに、奨学金による自己破産の意味と仕組みについてご説明していきます。

奨学金の返済ができなくなり、自己破産の道を選ぶことを奨学金破産といいます。

奨学金破産とは、簡単に言えば、裁判所に破産・免責の申し立てを行い、「奨学金の返済額（その他借金を含む）全てを無くす」という意味です。

裁判所に、自己破産するための破産・免責の申し立てが受理されると、生活に必要な最低限の資産を残して、裁判所の関与のもと全財産を債権者に分配します。

その後、免責許可が得られると奨学金の返済額（全ての借金）が帳消しになるという仕組みです。

2. 奨学金による自己破産の件数や割合の推移

次に、日本学生支援機構の統計や調査をもとに、奨学金による自己破産の人数及び件数、割合を見ていきましょう。

奨学金事業の大半を占める日本学生支援機構が、奨学金による自己破産及び生活困窮者の実態を朝日新聞に明かしました。

日本学生支援機構の調査によると、奨学金を返還している者と保証人になった親族らの自己破産の件数は、平成24年～28年度の5年間で1万5,338件。内訳は、返還者本人が8108件で、連帯保証人が5,499件、保証人が1731件です。

また、返還者本人が自己破産した8,108件のうちの7626件が人的保証分でした。

奨学金返済による自己破産が直接の原因かは不明ですが、国内の自己破産が減る一方、奨学金返還者の自己破産は増加傾向にあります。

URL：https://okane-answer.jp/articles/ba1b5cf0201ff9a3a06bb86a6ca18628